膵臓癌について調べてみると、酒やコーヒー、みかんや大豆など特定の食べ物についての情報が出てきます。
一般的に取り上げられやすい食べ物と膵臓癌の関係について研究機関の報告結果からお伝えしていきます。
膵臓癌と酒
1日あたりのアルコール摂取量が多い人は膵臓癌を発病させる危険性が上昇
お酒と膵臓癌の発病との関係に因果関係は見つからないという研究結果が出ています。(参照:JACC)
しかし、1日あたりに摂取するアルコールの量が増えると、慢性膵炎になる可能性が増大することが知られています。
(男性においてはアルコールの飲みすぎが慢性すい炎の原因の約80%弱)
そして、慢性膵炎はすい臓がんになる可能性を大幅に上昇させるとされています。
このことから、少量の飲酒は膵臓がん発症の危険性とは関係がありませんが、大量飲酒は膵臓がんやその他の病気の原因となるので、過度な飲酒は避けたほうがよいと考えられます。(参考:NCBI )
米臨床腫瘍学会のがん予防委員会も、「過剰な飲酒はがんの危険性を高める可能性がある」として、アルコールを飲み過ぎないよう注意を呼び掛 ける声明を発表しています。
- 日本酒・・・1合
- ビール・・・1本(500ml)
- ワイン・・・グラス2杯(200ml)
がん治療中の飲酒
すい臓がんの治療中は、飲酒は控えた方が良いとされます。
アルコールそのものや分解されたアセトアルデヒドには発がん性があり、がん発症のリスクが上昇するとされています。
人によってはアルコールやアセトアルデヒドを分解する酵素の力が弱いこともあるので、発がん性物質が体に長く止まってしまう恐れがあります。
抗がん剤治療の間は禁酒
抗がん剤による過剰な副作用が発生する怖れや、期待する治療効果を得ることが難しくなる可能性があるとされています。
治療後や休薬中でも、薬の効果が残っている場合があります。
主治医の先生に相談してから飲むようにしましょう。
膵臓癌とコーヒー
コーヒーには、がん化を促進する側面と抑制する側面の両面の作用があると考えられています。
飲むことで膵がんになりやすくなるという因果関係を示す結果は現在のところ得られていません。
コーヒーを飲みすぎると膵臓癌のリスクが上昇
JACCの調査では、以下のことが報告されています。
- 1日4杯以上飲む人では、飲まない人に比べ膵がん死亡リスクが有意に上がる
- 男性では1日4杯以上飲む人は3.1倍膵臓癌で死亡しやすい
コーヒーをたくさん飲みすぎると、膵臓がんになるリスクを上げるかもしれないということは言えそうです。
適量のコーヒーは膵臓癌のリスクを軽減
一方、1日に4杯未満の適量ならば、むしろ飲んだ方がリスクが下がっています。
男性は特に、コーヒーをほとんど飲まないグループに比べてよく飲むグループほどリスクが低くなるという傾向が見られたと報告されています。
日本の疫学調査では,1日3杯未満のコーヒー飲用は膵がん死亡の危険率を下げる事が示されています。
膵臓癌とみかん
冬になると手に入りやすいみかんですが、みかん類をたくさん食べると、がん血液の発症リスクが低くなるということも言われています。
(参照:大崎国保コホート研究)
すい臓がんの場合、みかん類を日常的に食べると発症のリスクが低くなると言われています。
- ミカン類を毎日食べる人のがん発症リスクは1割程度低い
- 特にみかん類での発癌リスクはすい臓がんで低下
- 緑茶を毎日1杯以上飲んでいて、みかんを日常的に食べる人は発癌リスクが分かりやすく低下
最近の研究では温州みかんに多く含まれる「β-クリプトキサンチン」というカロテノイドが発がんを抑制する効果を持つことが分かっています。
膵臓癌と大豆
参照:大豆食品摂取量の摂取と膵がん罹患リスクが関連(JPHC Study) |
- 非発酵性大豆食品(豆腐・高野豆腐・油揚げ・豆乳)・・・膵臓癌リスクが上がる
- 発酵性大豆食品(納豆・みそ)・・・関係性なし
膵臓癌が特に気になる場合は、豆腐は控えて味噌・納豆の摂取に留めてみるのも良いでしょう。
まとめ
膵臓癌になった家族がいる、膵臓癌の疑いがある場合に気になる食品についてのまとめはこちら。
- 膵臓癌と酒・・・過剰な飲酒(1日ビール2本以上)は発癌リスク上昇
- 膵臓癌とコーヒー・・・適量なら罹患リスク減少・1日4杯以上なら罹患リスク上昇
- 膵臓癌とみかん・・・緑茶と一緒に食べると発癌リスクが減少
- 膵臓癌と大豆・・・豆腐類・高野豆腐・油揚げ・豆乳などで罹患リスク上昇
何事も適量を守り、日々健康に暮らしていけるようにしていきたいですね。
以上、膵臓癌と気になる食品について調べたことをお伝えいたしました。
現在私の父も膵臓癌闘病中ですが、野菜スープで免疫力がついたという方のお話しもよく耳にします。
今後、野菜ジュース・野菜スープについてもチャレンジしていきたいと思います。